
地球温暖化
第1回
古代には温度計などが存在しなかったことは言うまでもない。世界的に気象観測記録が得られるのは過去150年足らずであり、信頼度の高い精密な記録が残されているのはせいぜい最近70年程度であるといえる。それ以前の時代については気温を反映する他のデータ(代替データ, proxy data) から気温を推定するしかない。
主な代替データ
- 樹木の年輪分析(幅、密度、同位体組成等)
- 珊瑚の年輪分析(幅、密度、同位体組成等)
- 極地・高山の氷床・氷河の酸素同位体比分析
- 花粉分析との照合
- 文献データ(日誌、河川や湖の凍結記録)
- 化石などの生態系記録との照合
古い時代のデータであり、また気温自体を測定したものではないため、各分析法のいずれでも再現した古気温には相当の誤差が伴うことは避けられない。そのため、文献データや生態系記録との照合により、推定した気温の妥当性を検証する必要がある。
所謂二酸化炭素地球温暖化説を支持する研究者の主張に依れば、過去千年間の気温は基本的に安定しており、ここ100年間の気温上昇は人類史上未曾有のものであり、また最近の気温は過去に例を見ないほど高いと言うことである。しかし以下に示す様に、実際には地球の気温が人類の産業活動以前から、長期および短期的に変動を繰り返してきたのである。
- 地球の気候は産業革命以前には基本的に安定しており、気温の急激な上昇(いわゆる地球温暖化)などは存在していなかった。
- 産業革命以降気温が急激に上昇し続けている。
- 産業革命以降の気温上昇は、地球史上無い程、急激なものである。
- 上記のような、近年の温暖化の原因は二酸化炭素の人為的な放出である。
- その根拠は数値計算(シュミレーション)の結果により、証明されており、更に近い将来温暖化が進むことも高い精度で予測することができる。
- 地球温暖化により、グリーンランドや南極の氷河が融解してきたために海水面が上昇し、地球各地で水没の危機が迫っているなどの問題が多発している。
- 従って、産業廃棄物としての二酸化炭素の排出量を削減すべきであり、そのために代替エネルギーの開発、利用を促進すべきである。
以上に関して、巷間言われていることとは異なり、定説とは言い難い点があることを以下において明らかにする。
(表1)花粉分析から示される最近8千年間の温暖期●と寒冷期○
| 時期 |
(区分と期間) |
日本における名称 |
| 7900~4600年前 |
(●3300年間) |
縄文前期温暖期 |
| 4600~4400年前 |
(○ 200年間) |
縄文前期寒冷期 |
| 4400~3300年前 |
(●1100年間) |
縄文後期温暖期 |
| 3300~2600年前 |
(○ 700年間) |
縄文後期寒冷期 |
| 2600~1900年前 |
(● 700年間) |
弥生温暖期 |
| 西暦100~ 700年 |
(○ 600年間) |
古墳寒冷期 |
| 700~1200年 |
(● 500年間) |
奈良・平安温暖期 |
| 1200~1900年 |
(○ 700年間) |
鎌倉・江戸小氷期 |
| 1900~以降 |
(● 100年間) |
現代温暖期 |
| 坂口豊 et al.(専修人文論文集51巻 pp. 79―113, 1993)より作成 |
(表1)は最近8千年間に繰り返されてきた温暖期と寒冷期をまとめたものである。最後の氷河期が終わりを迎えた後、現在地球は間氷期と呼ばれる新生代としては比較的温暖な時期にある。過去1万年間に渡って温暖期と寒冷期が繰り返されてきたが、温暖期の長さが次第に短くなってきている傾向に注意されたい。また過去100年間は温暖期に入っており、気温が上昇傾向にあるのは事実である。
第2回
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