
地球温暖化
第3回
二酸化炭素の増加により地球の気候が温暖化する可能性の指摘は古くは19世紀の化学者 S. Arrhenius に始まるが、昨今の支配的とすら言えるほどの二酸化炭素地球温暖化説の広まりは、Michael Mann等の研究がきっかけであるといえる (M. Mann et al., Nature, 1998, Geophys. Res. Lett. 1999) 。 以下に示したのが、世界に衝撃を与え、各国政府の地球温暖化問題への対応に大きな影響を及ぼした Mann 等による古気温の復元結果のグラフである。
(図3)Mann 等の再現した過去1000年間の古気温データ。
横軸は西暦年、縦軸は過去1000年間の平均気温からのずれを表す。Mann 等の主張は以下の通りである:
過去千年間において、地球の気温は基本的に安定しており、ある程度の変動はあっても精々 0.3 ℃程度であった。しかし産業革命以降の過去100年間に、かつて無いほど急激に気温が上昇している(このグラフの形状が、ホッケーのスティックを横倒しにした様子に似ているために、ホッケースティック理論と言われる)。また、過去100年間に大気中の二酸化炭素濃度が増大しており、二酸化炭素濃度の上昇と気温の上昇の時期が一致していることから、この過去100年間の温度上昇の原因は産業革命以降の人為的な二酸化炭素の放出によるものである。
また世界的ベストセラーとなったアメリカ合衆国前副大統領アル・ゴアの著書「不都合な真実」(Al Gore, “An inconvenient truth”) では、「気候変動に関する政府間パネル (IPCC) 」にも取り上げられている Lonnie Thompson らの再現した古気温(図4)を引用して、以下のような主張がなされている:
『いわゆる“温暖化懐疑論者”は「地球温暖化とは自然の周期的な変動を反映した幻想に過ぎない」とよく言う。その裏づけとして、そういう人々はよく、「中世の温暖期」の数字に言及する。
しかし、トンプソン博士の温度計を見ると、これが証拠とばかりに言及される「中世の温暖期」は下のグラフの左から3つ目の小さな濃い色で塗られた三角の部分であって、グラフ右端の最高点で示されるここ50年の気温の急上昇に比べれば、ほんのわずかであることがわかる。』
|