
地球温暖化
第4回
(図4)氷床コアから再現した過去千年間の北半球における気温(℃)。横軸は西暦年、縦軸は過去千年間の平均気温からのずれを示す。
Thompson等の研究結果によれば、過去千年間の略全ての期間にわたって地球の気温は現在よりも低かった。温度が相当に高かったと伝えられている「中世の温暖期」も現在よりも気温が低かったのであり、現在の気候は過去千年間に全く類を見ないほどの高温状態となっている。また産業革命以降の気温の上昇は未曾有のものである。
MannやThompson等の導出した気温データは、過去千年間の気温は基本的に安定しており、現在よりも温暖な時期は少なくとも最近千年間には存在していなかったというものである。これらの研究結果が正しいのであれば、確かに現在の地球の気温の上昇は異常なものであるといえる。しかし、先に述べた様に、古気温の再現というのは実際にはかなり困難な作業であり、再現された古気温の信頼度に対する検証が必要となる。
しかし、実際には西暦9世紀から13世紀までの「中世(の)温暖期」には、現在農耕が不可能な寒地グリーンランドにアイスランドのノルマン人が移民して、農業を行っていたことが考古学上立証されており、現代よりも暖かかったことは確実である。またそれ以外の時期も安定した気候とは程遠く、最近も17世紀から19世紀にかけての小氷期と呼ばれるほどの寒冷期にあったのである。しかるに Mann 等のデータも Thompson 等のデータも中世の温暖期の存在を再現しておらず、現在よりもかなり気温が低かったとの結論を下している。また小氷期の到来など実際にはかなり激しかった気温変動も全般に再現していず、古気温のデータとしての信憑性を欠くといわざるを得ない。
「中世の温暖期」の気温が高かったのは、考古学的な遺跡などから立証される紛れもない事実であるから、ゴアの主張するように、Thompson 等のデータで「中世の温暖期」の気温が低いと出ている故に「中世の温暖期」はさほど暖かくはなかったというのは本末転倒以外の何ものでもない。事実は、「中世の温暖期」の気温が低かったことになる Thompson 等のデータは、実際の気温を反映していない信頼の置けないものであることを示している。
続いて、太陽から地球へ放射される光の吸収および反射について述べる。次の図は太陽からの放射光がどのように大気圏内で吸収、反射、再放射されるかを示すものである。
図5)太陽光のエネルギーが地上で吸収あるいは放出される、エネルギーバランス。
太陽から放射された光のエネルギーは、一部は雲により反射または大気により吸収、残りが地表に到達する。地表に到達した光の一部は反射されるが、大部分は地表により吸収され熱となる。地表からは赤外線の形で熱が放射され、一部は直接宇宙空間へ放出されるが、大部分は大気により吸収される。宇宙空間へ放出される赤外線の多くは一度大気に吸収された熱が、再度放出されるものである。
昨今支配的となっている二酸化炭素による地球温暖化説とは、産業革命以降人工的に放出された二酸化炭素の増大により、大気による地表からの射出光の吸収量が増加するために、地球から宇宙空間へ逃げる熱(赤外線)の量が減少し、その結果地球の温度が/上昇するという考えである。
確かに二酸化炭素は地球表面からの赤外線(熱放射)を吸収する性質があり、いわゆる温室効果ガスの一つであることは事実である。しかしながら次の表に示すように、大気中のわずか 0.03% を占めるに過ぎず、また後の図で示されるように赤外線吸収波長がごく限られている上に、遙かに多く大気中に含まれる水蒸気と吸収波長が重なっているため、赤外線の吸収に果たす役割は極めて限られたものであると言わざるを得ない。
(表2)地球大気の水蒸気を除く主な大気組成

この他に 0~3%程度の水蒸気が含まれる。
(表2)乾燥大気中の主要な気体の存在比を示す。大部分は窒素と酸素で占められており、それ以外の気体を全て合わせても1%に満たない。
二酸化炭素は約46億年前の地球創世期においては大気の最も主要な成分の一つであったが、数億年の冷却期間後降り続いた雨により海洋中にとけ込み、石灰石の形で固体として固定されて激減した。更に光合成細菌の誕生により、炭酸同化作用(光合成)の材料として使われ、大気中からも海洋中からも大部分が失われて、現在に至っている。
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