
地球温暖化
第5回
次図に太陽及び地球からの放射光スペクトルと、大気中に含まれる主な気体による光吸収特性を示す。
(図6)上図は太陽及び地球からの放射スペクトルを示す。
横軸は波長で、光(電磁波)の色を表すと考えれば理解しやすい。左側は波長の短い(高エネルギー)光、右側は波長の長い(低エネルギー)の光である。人間の目に捉えられるのは、可視光線の範囲だけであり、その他の波長の光は見ることが出来ない。
Wien の変位則により、5500℃程度の太陽からは主に可視光線が、15℃程度の地球からは主に赤外線が放射される。
下図は上空及び地表からにおける各気体による吸収スペクトルである。地表からの赤外線を吸収する役割は圧倒的に水蒸気が担っていることがわかる。二酸化炭素は15μm 付近の赤外線を主に吸収するが、これは二酸化炭素よりも遙かに多く大気中に含まれる水蒸気の吸収スペクトルと重なっており、赤外線吸収に対する二酸化炭素の寄与はごく少ないことが示唆される。
(図7)人工衛星が捉えたサハラ砂漠からの黒体放射強度分布。横軸は上が波長、下が波数、縦軸は放射強度。
温室効果ガスとして最も効果の大きい水蒸気の殆ど存在しないサハラ砂漠(平均温度47度)からの理論的な黒体放射強度分布(上の滑らかな曲線)と衛星から測定された実際の放射強度分布(ぎざぎざのグラフ)。両者の差が二酸化炭素による吸収強度と考えられ、15μm (700/cm) 付近における吸収強度は地球の平均気温15度(288K)における黒体放射強度を上回っている。二酸化炭素濃度は地球上で概ね一定と考えられるので、地球を単純に平均気温15度の均一温度の惑星と考えれば、地表からの波長15μmの赤外線を全て吸収できるだけの二酸化炭素が既に大気中に存在する、つまり、これ以上二酸化炭素が増えても地表からの赤外線吸収量は増えない。実際には地表の温度分布は均一ではないことを考慮しても、更に二酸化炭素が増加した場合でも、赤外線吸収量がほとんど増えないと考えることができる。
(黒体放射とは熱的な放射のことで、常温では赤外線と考えて差し支えない。)
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