
地球温暖化
第6回
次に二酸化炭素よりも遥かに大気中に多く含まれ、また赤外線吸収効果も大きな水蒸気について述べる。
(図8)温度に対する大気中の水蒸気量。
図6に示したように温室効果ガスとして最も効果の大きいものは水蒸気であり、二酸化炭素の赤外線吸収量ははるかに小さい。図8に最も支配的な温室効果ガスである水蒸気量の温度依存性を示す。高温であるほど、空気中の水蒸気が増大するため、温度が上昇すると水蒸気量が増大、その結果さらに温度が上昇する「正のフィードバック」が存在するのは事実である。この正のフィードバックのために地球の気温がとめどなく上昇し、金星の様な灼熱の惑星になるというセンセーショナルな予測が巷間振りまかれている。しかし実際には、地球は太陽からの距離が金星よりも遠く、気圧がはるかに低いため(数百分の一である)、金星のような灼熱の惑星になることはありえない。現実には地球の温度が上昇しても、熱帯などの高温地帯からの蒸散が盛んになり、その結果大気循環が活発になる。その結果熱帯の気温は殆ど変化せず、温暖な地帯が高緯度地方へ広がるだけである。
また水蒸気は気温を安定に保つ効果があることに留意する必要がある。水蒸気は乾燥大気の2倍の比熱があるため、水蒸気を含む大気は温まりにくく、冷めにくい状態になり、温度変化が少ないすごしやすい環境を与える。このために、一般に島国の気候は安定しておりすごしやすく、海から離れた大陸内部では夏暑く、冬寒い非常に厳しい気候となるのである。
次に二酸化炭素が水にどの程度溶けるかを表す溶解度に関して、考察を行う。
(図9)水温に対する水の二酸化炭素溶解度を示す。
二酸化炭素に限らず、温度が上昇すると気体は水に溶けにくくなり、温度が低下すれば水に溶けやすくなる。これをヘンリーの法則と呼ぶ。ビールや炭酸飲料を温めると、すぐに気が抜けてしまうのはこのためである。
このグラフから海水温が上昇すれば、海水が溶かしている二酸化炭素が大気中に放出されることが考えられる。すなわち昨今指摘されている、気温の上昇と空気中の二酸化炭素濃度との間の正の相関関係は、単に気温が上昇したために結果的に海水中の二酸化炭素が空中に放出されるためであって、人類の工業活動による二酸化炭素の放出が気温の上昇を招いたわけではない可能性が考慮されるべきであることが示唆される。
以下において、観測データから気温の上昇と二酸化炭素の濃度増大とのいずれが原因で、いずれが結果であるかが示される。
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