
地球温暖化
第9回
昨今、二酸化炭素地球温暖化説を唱える研究者たちによりコンピューターを用いた数値計算(シミュレーション)が盛んに行われており、それにより地球の温度上昇の原因が人為的な二酸化炭素の放出であるとの主張がなされているが、その信頼性について検討することとする。
気象に関する数値計算を行う際には、水平方向のみならず垂直方向への大気や熱の移動をも考慮しなくてはならないため、三次元空間をメッシュで区切って離散化を行わなくてはならない。地球規模の気候変動の数値計算に用いられた三次元メッシュの例を次図に示す。
図14)3次元地球規模の気象数値計算におけるメッシュ分割の例。[11]
数値計算においては、上図のようにメッシュを切り、空間を分割・離散化して計算を行う。
二酸化炭素地球温暖化説を支持する研究者たちはこのような手法により、100年後あるいはそれ以上の未来の気候を予測し、二酸化炭素が増大した場合には温度が大きく上昇するとの計算結果を発表している。しかしながら、現在長期予測に利用可能な気象モデルは存在しないのが実態である。気象はきわめて複雑な事象であり、また全地球規模の大気循環を離散化して数値計算するには現在のコンピューター技術では 300km 程度の非常に大きなメッシュを用いなくてはならない。現在、500m 程のメッシュを用いての数値計算が天気予報に用いられて効果を上げているが、それでも2日間程度の予報しか信頼性が無いのが実態である。その程度の信頼性しかない手法に、1000倍近い極めて荒いメッシュを適用して、全地球的な、しかも長期的な予測を行うことの妥当性は極めて低いといわざるを得ない。すなわち、数値計算により100年後に4度地球の温度が上昇するという結果が出ても、実際には単にそのような結果が出るように、計算に必要な項の値(測定不能なパラメーター値)を操作した結果に過ぎないのである。
一方、原因は産業活動による二酸化炭素放出にはないとはいえ、地球の気温が上昇基調にあることは事実である。しかしながら、以下に示す様にそのことは直ちに海水面の上昇に結びつくことを意味しない。
(図15)近年のグリーンランドにおける氷河の厚さの年間変化量を示す。
暗色の部分は氷河の厚さの減少している部分を、明色の部分は氷河の厚さが増大している部分を表す。[12]
周辺部では氷河の後退が見られるものの、中心部では氷河が発達している。これは気温が上昇すると、大気中の水蒸気量が増大するとともに、大気循環が盛んになるために、内陸部へ大量の水蒸気が運搬され、その結果内陸部の降水量が増大するためである。気温の上昇が直ちに氷河の減少、海水面の上昇につながらないことを示している。なお、北極よりも低温な南極大陸では、南極半島を除けば周辺部での氷河の後退は見られず、さらに内陸部の氷河が発達しており、全体としてみると気温の上昇にもかかわらず氷河は増大傾向を示しており、むしろ海水面の低下の可能性を考慮すべきである。
【参考文献・資料】
[11] Matsuura, T and R. Kawamura. 2007: Water- Related Disasters, Climate Variability and Change: Results of Tropical Storms in East Asia. Transworld Research Network. pp170.
[12] NASA Earth Obsevatory
http://earthobservatory.nasa.gov/IOTD/view.php?id=721
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