栗﨑 篤史

栗﨑 篤史
生徒一人一人に寄り添い、時代のニーズを捉えた教育で、「生きる力」を育みます

栗﨑 篤史取締役兼執行役副社長・学院長代行

Q:これまでのご経歴について、お聞かせください

大学では情報工学を学び、卒業後、精密部品メーカーに就職しました。開発に携わりましたが人と接する仕事がしたいと思い、大学時代に塾講師のアルバイトをしていたこともあり、2001年に進研社(旧進学舎、現当社)に入社しました。 1人の講師としてクラスを受け持つことに始まり、1校舎の責任を担う校長となり、そして5校舎を統括するブロック長、20校舎を統括する地区長、小中学部全180校舎を統括する本部長というステップを経て、2021年、副社長に就任しました。副社長となり、責任を担う範囲が広がったことを重く受け止めていますが、心境に大きな変化はありません。 塾の仕事は、人を満足、充実させるものです。 「受験に立ち向かう生徒が、悔いなくやり遂げることができたか」 「入試に合格するという目標の達成だけでなく、生きる力を育むために何をすべきか」 「この塾に預けて良かったと保護者様に思っていただきたい」 このような思いをもって取り組むことは、どの立場になっても変わりません。そこは絶対にぶれないようにしていきたいと考えています。

Q:都立中高一貫校・都立難関高で高い合格実績をあげている要因と、今後の展開についてお聞かせください

他塾が、中学受験・高校受験・大学受験、都立受験・私立受験など幅広く手掛けているのに対し、当社は、都立中高一貫校、都立難関高の入試に特化しています。都立中高一貫校の合格者における当社の占有率は55.2%(2021年度)と過半数を超え、難関都立高校である都立進学指導重点校においてはナンバーワンの合格実績となっています。 公立中高一貫校、都立高校の入試は、選択肢型の私立中高入試とは異なり、記述式の「適性検査」で、思考力記述力・表現力が求められます。社長の号令一下、この「適性検査」に当社はいち早く対応し、若い社員が中心となって既成概念にとらわれることなく、問題の傾向を分析し、それに特化したカリキュラム、教材を磨いてきました。 また、ターミナル駅に大規模校を出校するのではなく各駅停車に小規模を開校する方針で、1教室の人数も約15名と少人数です。記述式の問題を解く力をつけるためには、日々、生徒一人一人を細かいところまでしっかりみて、繰り返し指導しなければなりません。ノートや作文の文章までも徹底して指導するから、適性検査といったらenaだと仰っていただけているのだと思います。 当社は今後、私立入試にも力を入れていく方針です。都内の私立中学校の入試でも「適性型」を導入する中学校が増えており、今やその割合は全私立中学校の半数に達します。背景には、2021年度から大学入試が、センター試験から共通テストに変わり、思考力・記述力が問われるようになったことがあります。また、企業の入社試験でも、コミュニケーション能力や記述力、表現力といったものが求められるようになっており、思考して記述する、表現することの重要性は一層高まっています。保護者様からは、「適性検査対策というのは、社会に出てから必要な能力を鍛えるということですね」というご感想をいただきます。

Q:映像授業やオンライン化への取り組みについてお聞かせください

以前よりDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性は感じていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大が契機となり、一気にDXへの対応を進めました。 2020年3月より、小中学校の一斉休校が始まり、生徒が塾に来ることも出来ない中で当社は、全社員一丸となって、社長自らも映像の講師として教壇に立ち、すべての授業の録画を完成させました。変化への迅速な対応、実行力は当社の大きな強みです。 当初は、人と会わず画面を通した授業で意味があるのか懸念する声もありましたが、やってみると生徒はすぐにタブレットを使いこなし、教室と同じように授業を進めることができました。DXの力が加わったことで、塾の可能性が一気に広がったと実感しています。 対面授業とオンラインを組み合わせた「ダブル学習システム」により、学習効果はとても上がったと思います。当社では、それぞれの校舎が対面の授業を行うとともに、本社のスタジオで、全校から選抜された講師陣が校舎で行われる対面授業と同じ単元の授業を収録し、配信もしています。生徒は教室で授業を受けた後、家で映像授業も見て復習することができるのです。また、校舎では毎月テストを実施していますが、テストを受けた日に、家でその解説動画を見て復習することもできます。他塾にも映像授業はありますが、当社は全学年の全授業を全て本社の専用スタジオで収録しています。計算問題などの小テストについてすら、解説動画を作っています。ここまで徹底しているのは当社だけだと思います。 さらに新たな取り組みとして、インターネット上に仮想の校舎をつくり、オンラインでの授業に特化した「enaオンラインclass」を2021年3月に立ち上げました。実際の教室と同じように、生徒は時間になったら入室し、授業を受け、質問し、テストを受け、休憩時間は談笑もします。教場がオンライン上であるということ以外は全て既存の校舎と同じです。開校と同時に大変多くの入学希望を頂戴し、新たな収益の柱となっています。その他にも、家庭教師指導「家庭教師Camp」や、看護医療受験向け「ena新セミオンライン」など、DX商品を拡充しています。

Q:事業活動を支えるコーポレート・ガバナンス、管理体制、人材への取り組みについてお聞かせください

コーポレート・ガバナンスについては、社内の論理だけで経営が行われることがないように、社外取締役が過半数を占める体制となっています。社外取締役からは、多様な視点で客観的な意見をいただいており、気付かされる場面が多くあります。 管理体制については、事業の拡大を支える基盤として、必要な投資を行い強化を図っていきます。特に、DX商品を拡充していくにあたり、バックアップする管理部門の強化は重要な課題と考えています。 人材については、働く環境の整備を進めています。塾はどうしても夜遅くになる、休日に出勤することが多くなる業界ですが、大きく改善されています。また、以前は男性の講師がとても多かったのですが、現在は新卒入社の社員は男女同じ割合で、年によっては女性の方が多くなっています。産休・育休から復帰する社員も増えています。2022年4月だけで4名もの育休明け社員が復帰しました。働きやすくなっていることの現れだと思います。